機械翻訳結果のポストエディット Part 1

機械翻訳の開発と人の手による翻訳の両方を手掛けている弊社では、自社翻訳エンジンに限らず様々なエンジンの精度や速度を比較し、良いものを実務で採用しています。

 

この度、大手アパレルメーカーの洋服などのアイテムを中国語に機械翻訳し、その結果を人の手で修正する

 

「ポストエディット」

 

の業務を担当させて頂けることになり、複数の機械翻訳を調査したところ、誤訳されていた単語があったのでご紹介しますね。

 

それは、

 

「カーゴパンツ」

 

です。

 

3種類の機械翻訳で訳してみたところ、

 

「货柜裤」

 

「货物短裤」

 

「皮裤」

 

とすべて誤訳されるという結果になりました。

 

「货裤」、「货物短裤」は航空貨物でおなじみの「カーゴ」になぞらえて訳したことによる誤訳で、「皮裤」は「レザーパンツ」の誤訳です。

 

弊社のようにポストエディットを生業としている企業にとっては、このような誤訳を

 

「見過ごさずに、しっかりと気付く」

 

ことがとても重要なのです。

 

AI系の翻訳エンジンが台頭したことにより、スラスラと読める訳文が増えたことはとても喜ばしいことです。

 

しかしその一方で、ポストエディットする私たちのような翻訳会社がその読みやすさに流されてしまうと、誤訳までも読み流してしまい、そのままお客様に納品するという事態を招いてしまいます。

 

専門用語も豊富なアパレル業界だからこそ、まだまだAI系翻訳エンジンでは対応できない単語もあるわけで、その点は人の手と目を組み合わせることにより、

翻訳品質

速度

価格

の3つの相反しがちな要素を両立(いやいや、3本立て?)させる必要があるのです。

 

2020年には、あるスポーツのルールブックを英語から日本語にポストエディットして、お客様に大変喜んで頂いた弊社としても、

 

「万全の態勢でポストエディットとその結果のチェックに臨まなければ」

 

という思いを新たにした、一件の誤訳でした。

 

気になった誤訳に限らず、ポストエディットに関する情報を不定期でお届けしますので、お楽しみに!