「stick」=「バッチリ決める」表現についてのQ&A
本日は、「バッチリ決める」の英語表現としてご紹介した「stick」について
読者の方からお問い合わせを頂いたので、皆さんと共有してみたいと思います。
Q.
「stick」をネット上の辞書で検索したところ、動詞の「決める」としての意味ではあまり紹介されていませんでした。
「技や着地を決める」場合に用いられる「stick」は、アメリカ英語でも少し砕けた口語表現でしょうか?
A.
確かに少し砕けた言い方でもありますが、ある程度スラングのような存在で幅の広い使い方がされる表現です。表現自体に悪い印象はなく、様々な場面で用いられます。
Mariam-Websterのオンライン辞書では、動詞としてのstickの本来の意味である「刺す、突き刺す」とは異なる意味合いで10番目に下記のとおり解説されています。
“10: to execute (a landing) flawlessly in gymnastics”
出典:https://www.merriam-webster.com/dictionary/stick
高電社訳:体操で技(または着地)を完璧に決めること
体操に関するWebサイトや動画タイトルとしても用いられている例としては
How to Stick Your Landing in Gymnastics
出典:https://www.liveabout.com/stuck-landing-1714793
高電社訳:体操で着地を決めるコツ
さらに、同じく着地や技が重要なスケートボードやBMXでもstickは使われます。
The act of catching the board in the air after it makes a full rotation underfoot and then sticking the landing is commonly one of the best moments in any skateboarder’s early progression.
出典:https://en.nollieskateboarding.com/kickflip/
高電社訳:ジャンプしている間にスケートボードを横方向に一回転させてから足でボードをキャッチして着地を決めるトリックは、一般的にあらゆるスケートボーダーの初期段階の上達における最高の瞬間のひとつ。
ちなみにこれは「kickflip」というトリックの解説です。
You have to stick your tricks, make it through the sets and also you have to show some new moves.
出典:https://www.fatbmx.com/bmx-workshop-wednesdays/itemlist/tag/Freestyle?Limit=10&start=21650
トリックを決めなくてはいけない、コースをうまく乗り切って新しいトリックもいくつか繰り出さないといけない。
体操では「技」、スケートボードやBMXではスポーツの文化を考慮して「トリック」というように外来語のままに訳してみました。
そのほか、球技でもstickを使った表現があります。ラグビーでは
“You Want to Call Every Ball and Stick Every Pass”
出典:http://www.universitytimes.ie/2017/02/you-want-to-call-every-ball-and-stick-every-pass-jack-kelly-on-captaining-irelands-under-20-squad
高電社訳:「味方からのボールをすべて自分に集めて、パスを100%つなげたい」
など。
オリンピック競技の解説や、かの有名なロイターの記事でも使われていることから判断すると、決して単なるスラングでは片づけられないほど市民権を得た決まり文句のようなフレーズになっていると言えるでしょう。
動詞としてのstickのちょっとイケてる使い方に関するQ&A、いかがでしたか?
次回は着地に関する「stick」と「land」の違いについて、クイズを出題しますのでお楽しみに~!!