人を信じることの大切さ、確認することの大切さ
昨夜、仕事帰りにインドカレーの店に行くことにした。仕事もそろそろ終わりというころに、今夜は何を食べようかと考えていると、たまに行くその店のメニューが頭に浮かび、文字通り「腹は決まっている」状態だった。
駅前にあるその店で、私はいつも「ポークほうれんそうカレー」を注文する。インド(もしくはネパール)出身らしき店員がオーダーを取りに来て、「イツモノデスカ?」と尋ねられ、ついつい「いつもの。」とこちらも応じてしまった。
渋みのある中年男性が、なじみのバーのカウンターでバーテンダーに「いつもの、アレ頼むよ」とオーダーするのとは、かなり雰囲気が違う。。
待つこと10分。必ずセットで注文するサフランライスのひまわりのような色目もその量も、間違いなく「いつもの」とおり。ほうれんそう色のルーをサフランライスにかけて頂く。
個人的に飲食店というものは、そこに所属するどのシェフが作っても、いつ作っても、同じ味を提供してくれることが一流店の条件のひとつだと考えている。その点に関して、この店は十分に一流と言えるだろう。
次に、お目当てのポークをルーの中から探し出してみる。いつもより大きめにカットしてあるようで、思い切り頬張ることに。ひと口めに味わった食感としては「いつものに比べると、少し歯ごたえがあるようだ。」
これが徐々に、「これはもしかすると、店員の「イツモノ」と私の「いつもの」が一致していなかったのかも?」という疑いに変わっていく。口の中ではその歯ごたえと味覚を再確認しつつ、右手はスプーンでルーの中から「いつもの」であるはずの肉をすくってまじまじと観察する。
次の瞬間、私は店員に聞いていた。
私:「これ、何カレーですか?」
店員:「マトン ホウレンソウ カレー デス。」
あぁ~、やっぱりね。
それなりに何度かその店に通い、そのたびに同じメニューを頼んでいても、「いつもの」だけではなかなかわかり合えないことに気付かされた。その反面、「いつもの」という一言でオーダーできるようになると、かなり楽だと感じたのも事実。そうでないとカレーの種類、辛さ、ナン or ライス、ライスの場合は白いライス、サフランライス、はたまた量までをその都度、指定するのだから。
結果として、昨日はこちらの望んでいたポークほうれんそうカレーではなかったものの、メニューの上では1行違いだったので、まあニアミスに毛が生えた程度のものか。
えっ? 肝心のマトンほうれんそうカレーの味はどうだったかって?
うメェェェ~
って、そんなんいらんねん!
ということで、次回からは「いつもの。」に続けて「あっ、ポークですよ。」とオーダーするようにしようと思う。ガーリックの利いたお気に入りのトマトスープと共に。